大阪9月個展「月夜の珊瑚」

僕は沖縄に住んでいるとはいえ、ナイトダイブはおろかダイビングもしませんが、月夜に照らされた珊瑚はさぞきれいだろうなと、ダイバーになったつもりで想像して楽しんでいます。

 

水面に映しだされた月が底に沈んで珊瑚と同化します。

僕の意識は次第に珊瑚になり、海底から月を眺めます。波紋の向こうの月光を鑑賞します。

 

 

最近では夏の満月の頃に産卵する珊瑚の幻想的な映像がよく紹介されていますが、珊瑚は分裂による自己増殖のほか、植物が風で種を遠くに飛ばすように卵を波や潮流で遠くへ運び、新たな土地での繁栄を試みます。まるで海の旅人の様です。

 

珊瑚はさまざまな生き物の住処となっているだけでなく、光合成を行い酸素を発生するため海の熱帯雨林とも言われるそうです。その再生に月の満ち欠けが関係しているということ、月という存在が人間も含む地球の生命の営みに大きく作用するという神秘、エネルギーの美しさを今回の個展のテーマとしました。

 

月は満ち欠けにより毎月生まれ変わる不死のシンボルとされており、一説には月に一番近い山、富士の名は不死からきているともいわれています。

月面には生命の気配がかけらもなく、それが地球に送り届ける青白い光はどちらかというと冷たく非生命的ですが、そんな月が生命と深く関わっていたり、人を狂わせたり、創作意欲をかき立てたりする逆説的なところが興味が尽きません。そんな事を考えていると、種田山頭火の「月も水底に旅空がある」の句がふっと頭をよぎりました。

 

 

 

平成24年9月19日(水)→25日(火)

阪神梅田本店9階:美術工芸サロン

午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで)

 

阪神百貨店:06-6345-1201


幻想的・神秘的な“月夜の珊瑚”をモチーフに制作した、

陶板や照明器具、キャンドルスタンド、日常雑器などを展示即売いたします。