阪神梅田本店個展を終えて

 

展示会で「これは何焼ですか?」ときかれることがよくあります。未知のものに接したときに、文学でも音楽でも知っているカテゴリーに入れると人間なんだか安心しますよね。ただ問題は、僕がつくりたいのは「カテゴライズされない」見たことのない焼き物であることで、この質問がくると、とくに若かりし頃は、必要以上に身構えてしまったものです。思えば僕は、明治に輸入された西洋概念ありきの美術論と工芸論の教育を受けつつ、東洋人であるがゆえに美術と工芸を別のカテゴリーとしてとらえることに違和感を感じながらもその違和感が何なのか、潜在意識では理解できていなかったところがあります。たとえば仏像は、信仰の対象として存在していましたが近年では美術品として鑑賞するようになりました。一方、「茶碗の中に宇宙がある」などといった「工芸」におさまりきらない千利休のもののとらえ方は若い西洋の方々に理解されるようになっています。グローバル化が進み、欧米の若者が軽々と東洋の文化を深掘りするのを目の当たりにしたり、自分自身の年がかさみ経験とか諦観とかが身についたせいか、気が付くともやもやが取り払われ、作品づくりの根っこの部分が分かり易くやり易くなっている気がします。最近やっと、「何焼ですか?」とお聞きになるお客様に、「お好み焼きです」と答えられる様になりました。