

(DMより)
梅雨明けの海はマリンブルーと紺碧の見事なコントラストに彩られ白砂に縁取られていた。感動もひとしおのままじんじん窯を尋ねたら、見てきたばかりの海が作品の中にそっくりそおまま見事なまでに写し取られていた。山原のサンゴ礁の海をみて暮らしてきた山上氏ならではの仕事だろうと納得した。益子での釉薬や焼き締め陶から、山上氏の作陶の原点である清水焼の技術に立ち返って、サンゴ礁を表現してみた。沖縄の陶工なら誰でもやりたいテーマだろうが、これほど繊細で華麗な作品は、やはり京焼の伝統に追うところが大だろう。まさに、「慶良間は見えてもまつ毛は見えない」例えのように足元を深く掘ることがオリジナルの源なのだと教えてくれる。琉球王国時代には、久米村に中国の職能集団が移住し、また冊封使の貢献により美術工芸文化が花開いた。朝鮮陶工もしかり。山上氏のような完成度の高い一流の外からの刺激は大歓迎であり、大事にしないといけない。
安元 實
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